▼今週の注目記事  税新1827号 1面より

顧問料アップが難しい時代
避けて通れないDX化

 インボイス制度や改正電子帳簿保存法などの影響で事務所の業務は煩雑化しているが、それによって負担が増えた分を必ずしも顧問料に反映できてきたわけではない。業務の効率化だけではなく、顧問料の引き上げにつながる取り組みの模索が欠かせない状況下で、ここ数年で注目度が大きく高まっているのが業務のDX化だ。他事務所との競争力向上や人材確保につながるというDX化への着手が待ったなしの状況となっている。

競争力向上や人材確保につながる

 ミロク情報サービスが今年8月に実施した税理士事務所へのアンケート調査(11月公表)によると、インボイス制度の影響で記帳代行業務が増えたと回答した所長・職員は全体の85%に上る。しかし、その業務増加分を顧問料に反映できた事務所は一部にとどまる。インボイス開始後に顧問料を「値上げした」と回答した事務所は23%に過ぎない。「値上げを行う予定」が9%、「値上げを検討したが決まっていない」が31%で、制度が始まってから1年が経とうとしていた段階であるにもかかわらず、多くの事務所は負担増でも顧問料を引き上げられない、実質的な顧問料の値下げ≠強いられている状況だ。

 インボイス制度や電子帳簿等保存制度によるペーパーレス化、行政書類の押印廃止など税理士業務に関わる様々な制度が見直される中で、会計システムをはじめとしたITツールの活用によって業務の負担を減らす「IT化」や「デジタル化」は欠かせない。だが、既存のIT化・デジタル化だけでは顧問料の実質的な値下げは避けられず、事務所経営が立ちいかなくなるおそれがある。

 IT化やデジタル化に代わる重要なキーワードがDXだ。これは「デジタルトランスフォーメーション」の略で、英語でトランス(交差)がXと略されることからDXと表されている。

 DXは、デジタル技術を駆使して既存のビジネスモデルを変革していくことを意味する。IT化がデジタル技術を使って既存業務の効率化や価値向上を目指すのに対し、DX化はある分野のビジネスモデル自体の変革を目的としていることがIT化とは異なる。経産省のガイドラインでは「デジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」とある。「変革」といったキーワードがDXの意義を象徴している・・・(この先は紙面で…)

購読のお申込みはこちらから>>

▼連載ラインナップ
超人気コラム
 「税界羅針盤」 関根稔
日本一保険に詳しい税理士が教える
 「生命保険活用術」 高橋博
税界の今を切り取るオピニオン
 「税論卓説」 岡田俊明監修
新時代の顧問先強化
 「NPO法人の活用」 金子尚弘
一般紙では書けない銀行対策
 「資金繰り支援の秘訣」 上田真一
中小企業向けに絞ってお届け
 「オススメ助成金情報」 川澄佳美



会計事務所のための広報・PRお役立ちコーナー







↓↓↓ 前回の結果 ↓↓↓

   ▲このページのTOPへ