遺産分割の調停委員の経験を持つ下ア氏が、「会計事務所が知っておくべき遺産分割と実務対処法」をテーマに講演。遺産分割調停の実情について語った。 遺産分割については、相続人の間で合意しなければ家庭裁判所の調停または審判を受けることになるとしたうえで、年間死亡者数120万人のうち調停事件は1万2千件、調停で合意が成立せず審判になる件数が約1800件であるという現状を語った。 調停について下ア氏は、「財産が多い場合に遺産分割調停になりやすいと思われがちだが、実は違う」と強調。平成19年には、遺産分割事件となった7013件のうち、遺産分割の対象となる財産額が1千万円以上5千万円以下の事件が3083件、次いで1千万円以下が2044件と、財産額が5千万円以下の事件が全件数の7割以上を占めたことを紹介した。 遺産分割の対象が、複数の相続人に対して自宅しか資産がない場合など、遺産分割の対象となる財産が少ない時ほど相続人の間で争いが起こりがちであると解説した。 |